117系
写真提供:KTT所蔵
117系 直流通勤形電車
117系電車(117けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が製造した直流近郊形電車。
1979年(昭和54年)から1986年(昭和61年)にかけて216両が製造され、国鉄分割民営化の時には東海旅客鉄道(JR東海)に72両、西日本旅客鉄道(JR西日本)に144両がそれぞれ承継された。
新快速運用からの撤退と転用
JR西日本旅客鉄道株式会社発足時、144両(6両編成24本)が宮原電車区に配属されてた。1988年3月13日ダイヤ改正で運用範囲を彦根から米原まで延長し、翌1989年3月11日ダイヤ改正では朝ラッシュ時間帯に2編成連結した12両編成「新快速」での運転を開始した。
しかし、同時に221系が登場し、徐々に新快速での運用を縮小することとなる。
1990年3月10日のダイヤ改正から新快速の最高速度を115 km/hに引き上げた。
2016年現在、原形をとどめるのは、吹田総合車両所京都支所(旧:京都総合運転所)の8両編成2本16両のうちの12両。残り4両にはトイレの増設とバリアフリー対応化改造が行われた。2004年10月10日に「リバイバル新快速」として、限定運用ではあったが再び新快速運用に充当された。また、2009年4月には湖西線の臨時列車で再び新快速運用に充当された。
しかし他線区へ転用された車両も、福知山線(JR宝塚線)では221系による丹波路快速が2000年3月11日に運転が開始されたことによって運用が削減。奈良線では2001年3月3日から221系によるみやこ路快速の運転開始に伴って運用が終了。
2015年より廃車が開始され、2021年4月現在は80両が在籍している。
国鉄117系電車クリーム色
京阪神地区の東海道本線・山陽本線で運行している新快速には、1972年(昭和47年)からそれまでの113系に代えて、山陽新幹線岡山駅延伸開業に伴い余剰となった急行形車両153系が使用されていた。
元来は長距離の急行用車両であったため冷房装置を搭載し、乗り心地の良い空気ばね台車で、洗面所やトイレ付きで座席は比較的ゆったりしていたとはいえ、デッキ付きの乗降口を両端に有する構造は快適ではあってもラッシュ時の輸送に難点があった。
また、製造初年が1958年(昭和33年)と古く、ボックスシート(固定クロスシート)であり、京阪間を運行する阪急電鉄や京阪電気鉄道の転換クロスシートを備えた特急車両(阪急6300系・京阪初代3000系)に比べると見劣りしていた。
117系はこれらの課題点を踏まえ、京阪神地区の輸送事情に適合する車両として設計された。客室設備は1975年(昭和50年)に北九州地区に投入されたキハ66・67系を基本とし、急行形を上回る設備水準の車両として構想され、それまで一貫して車両の標準化を推進してきた国鉄が地域の事情に応じて設計、製造した嚆矢となった。
本系列による新快速には153系時代の「ブルーライナー」に対して、「シティライナー」という新たな愛称が与えられた。さらに、1982年(昭和57年)には東海道本線名古屋地区の快速に使用されていた153系の置換え用として、「東海ライナー」という愛称で投入された。
JR奈良線117系普通列車の停車駅
JR奈良線普通列車の停車駅は次の通りです。
JR西日本旅客鉄道 奈良線 JR京都駅 – JR東福寺駅 – JR稲荷駅 – JR藤森駅 – JR桃山駅 – JR六地蔵駅 – JR木幡駅 – JR黄檗駅 – JR宇治駅 – JR小倉駅 – JR新田駅 – JR城陽駅 – JR長池駅 – JR山城青谷駅 – JR山城多賀駅 – JR玉水駅 – JR棚倉駅 – JR上狛駅 – JR木津駅( – JR平城山駅 – 佐保信号場 – JR奈良駅)
※()内はJR関西本線所管の駅です。乗り換えは必要ございません。
JR奈良線路線図駅歴史一覧
JR西日本旅客鉄道 奈良線 JR京都駅 – JR東福寺駅 – JR稲荷駅 – JR藤森駅 – JR桃山駅 – JR六地蔵駅 – JR木幡駅 – JR黄檗駅 – JR宇治駅 – JR小倉駅 – JR新田駅 – JR城陽駅 – JR長池駅 – JR山城青谷駅 – JR山城多賀駅 – JR玉水駅 – JR棚倉駅 – JR上狛駅 – JR木津駅( – JR平城山駅 – 佐保信号場 – JR奈良駅)
※()内はJR関西本線所管の駅です。乗り換えは必要ございません。
国鉄117系電車(クリーム色) | |
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国鉄117系電車基本編成 | |
基本情報 | |
走行区間 | 京都駅 – 奈良駅 |
運用者 |
日本国有鉄道 東海旅客鉄道 西日本旅客鉄道 |
製造所 | 川崎重工業 近畿車輛 日本車輌製造 東急車輛製造(100番台のみ) |
導入年 | 1979年 – 1986年 |
製造数 | 216両 |
運用開始 |
京阪神地区:1980年1月22日 中京地区:1982年3月10日 |
運用終了 |
2013年3月15日(JR東海) 2023年7月21日(JR西日本) |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成 (2M2T) 6両編成 (4M2T) 8両編成 (6M2T) |
軌間 | 1,067mm(狭軌) |
電気方式 | 直流 1,500 V |
最高運転速度 | 110 km/h(西日本車は115 km/h) |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 1.8km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 5.0 km/h/s |
編成定員 | 基本編成 – 136(座席64)名(中間車) |
編成自重 |
最小 31.3 t(トイレなし先頭車) 最大 43.7 t(中間電動車) |
全長(最大寸法) (長・幅・高) |
全長20,000 mm 全幅2,946 mm 全高4,066 mm |
車体 | 普通鋼 |
台車 | ウイングばね式インダイレクトマウント空気ばね台車 DT32E・TR69H(0番台) 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車 DT50C・TR235B(100・200番台) |
主電動機 | 直巻整流子電動機 MT54D |
主電動機出力 | 120 kW / 基 |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 1:4.82 |
制御方式 | 抵抗制御(永久直列)・弱め界磁 |
制御装置 | CS43A・電動カム軸接触器式 |
制動装置 | 電気ブレーキ併用電磁直通ブレーキ 抑速ブレーキ 手ブレーキ |
保安装置 | ATS-SW ATS-P ATS-ST・ATS-PT(JR東海車) |